紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

リテラリーゴシック・イン・ジャパン 感想

寝る前にちまちま読んでいて、ようやく読み終わりました。 のでご紹介。

『リテラリーゴシック・イン・ジャパン ─文学的ゴシック作品選/高原 英理 編集 / 筑摩書房』

【内容】 世界の本質的な残酷さ。いやおうなく人間の暗黒面へと向かう言葉。鮮烈なレトリックによって描かれる不穏な名作の数々を「文学的ゴシック」の名のもとに集める。白秋、鏡花から乱歩、三島、澁澤を経て現在第一線で活躍する作家までを招き、新たなジャンルの創成を宣言する一冊。 (筑摩書房サイトより:http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480431202/

【評価】 ★★★★☆ 【感想】 中川多理さんの物憂げな人形の表紙に一目ぼれして購入。文庫にしては分厚く(680ページもある)、価格も1680円と高めですが、約40人にわたる近代~現代の幻想・怪奇・耽美的小説が集まったアンソロジーであることを鑑みると、分厚さも価格も納得します。

ゴシックな本が読みたい、耽美な作品が知りたい、怪奇・幻想小説にたどり着きたい。その願いをこの本はいともたやすく叶えてくれます。また、ゴシックのイメージのない作家のゴシックな作品もあり、掲載作家を見る目も変わります。歴史の教科書に載るような作家から大衆文学まで網羅しているので、とっつきやすいものから読んでいくことも可能という、これぞアンソロジー、と呼びたいくらいです。

個人的にお気に入りなのが、赤江瀑「花曝れ首」。かどわかされた相手にかまってもらうために顔を傷つけた色子って、すっごい耽美ですよね! 京言葉も雅な雰囲気を醸し出していて素敵。主人公は薄幸ですが、素敵な幽霊に取りつかれるならばちょっと憧れます。

意外なほの暗さを醸していたのは宮沢賢治。けなげに生きる人を書くイメージが強いので、この署長さんのようなキャラは意外でした。

他にも素敵な作品が短編で載っているので、シェヘラザードの物語よろしく、寝る前に一遍ずつかみしめて読むのがおすすめです。