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紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

廻天百眼「悦楽乱歩遊戯」感想

2017年3月4日は、虚飾集団廻天百眼本公演「悦楽乱歩遊戯」マチネとソワレ、間の詩劇「記述へのパラフィリア」を拝見しました。

【あらすじ】
丸尾末広少女椿寺山修司の奴婢訓を、
独自の解釈で舞台化してきた虚飾集団廻天百眼が、
ついに江戸川乱歩を上演!

帝都を惑わす黒蜥蜴の魔手がついに小山田静子の元へと伸びる。
駆けつけた明智小五郎の心身を襲うはパノラマ島の如き絢爛な情景。
夜と夜とを重ねるごとに、輪郭を強める生者の吐息に語りかけるあの世の者の影。
見よ、人間はこんなに奔放だ!

虚飾集団廻天百眼×江戸川乱歩 究極の猟奇がいま、幕を開ける!


死の遊戯というものがあるならば、まさしくそれでありましょう。
廻天百眼サイトより

【感想】
最前しか見れない景色があるけれど、最前は血の雨が降るという話も聞き、怖いもの見たさでマチネは最前行きました。
例の覗き穴が見れて、あと本当に血の雨降ってきて新手のアトラクションかなと。
あと、俳優さんがすごく近いので興奮するやつです。至近距離で美しいもの見られるってたまらない。
遊園地にあったら毎日行きたいやつです。

ソワレは全体を俯瞰したかったので舞台全体が見渡せる席へ。詩劇の前提も踏まえ、舞台全体を見るとより話が興味深くうつりました。

で、感想なのですが(今までは前置きだったらしい)、
今回観客はパノラマ島の天井裏に潜んでいる小林少年と同じ位置、すなわち屋根裏の散歩者だったということに気づいて、観客も作品の登場人物だったのかなと。
江戸川乱歩の陰獣、芋虫、蟲、黒蜥蜴、パノラマ島奇譚などの作品をうまいことまとめた上に、どの作品の主要人物たちの話もガンガン盛り込んで、ほぼみんなが主役でした。
これはやり方を間違えるとどれが一番着目すべき話か見失ったりするのだけれど、そういう置いてけぼりが一切なく、登場人物たちを輝かせるのはひとえに石井主宰の手腕なのだと思います。すごいですね。本当に。毎回舌を巻きます。

百眼さんはいつも愛のお話で、悦楽乱歩遊戯も寸分違わず愛溢れる話でした。狂おしい方の愛ですけれど。

寒川と静子は怯えから生まれた愛だったのかなと。最初怯えていたのは静子だけれど(春泥事件で)だんだん寒川のほうが真実に気づいて怯えてしまう。
寒川苦しかったろうなぁ。静子の真実には驚愕でした。やばい!

芙蓉と柾木は、痛々しい愛でしょうか。柾木が必死になればなるほど痛々しくて、かわいそうで、同じ言葉のリフレインが胸に刺さりました。あと、死体の芙蓉さんが美しぎてやばかった。柾木がそれほど愛を込めてお世話していたからだと思うと余計やばい。

菰田夫妻は疑心暗鬼の愛。気づいてほしくない、気づきたくない、けれど気づいてしまう。でも記述を見たあとに劇をみたら、千代子は廣介をどこか愛していて、だから原作ほど廣介を拒絶する風には見えなかったのにあの展開。

須永夫妻は献身的な愛。時子の尽くします的な態度に須永が羨ましかったです。でもかかあ天下だった後半二人の関係が楽しかったです。

明智夫妻は、猫夫人可愛すぎるだろうと。あと小林少年頑張ってた。ちょっと抜けているところがある明智なので可愛くてしっかりしている文代さんがセットなのバランスいいなぁ
記憶喪失なのでもう一回文代さんに結婚しよう言うてる明智可愛すぎか

黒蜥蜴と明智は、好敵手という感じで、三島版みたいな男女の恋愛になってないのが逆に面白かった。黒蜥蜴様はいろいろ持って行き過ぎで最高すぎるだろう。

早苗と雨宮は、かごの中の恋。夢からさめたら終わる愛でしょうか。奔放な早苗は美しく(衣装チェンジ後の艶めかしい中の清純さがすごい言葉にならないくらい好き)、雨宮の追いすがるように早苗を捕まえようとする手が格好良かったです。

黒蜥蜴と雨宮は、ちゃんとご主人様と奴隷で、ドMを好演している雨宮がなんか頼もしかったです。雨宮がエムを晒せば晒すほど黒蜥蜴様が輝くからね。うん。黒蜥蜴様、輝きすぎていた。

黒蜥蜴一味はかなり仲良しさんで、見ているのが楽しかったです。メイドのルイ(美少年系)、ヒトミ(ほんわか天然系)、アイ(しっかりお姉さん系)がそれぞれ個性的で可愛い。
雨宮も今まで見たことない雨宮で新鮮でした。遠藤もいい味出してた。拷問シーンは奴婢訓オマージュで楽しかったです。
遠藤とアイがさりげにできていて、みんなに隠れて付き合ってたのかなとか公認だったのかなと妄想のネタになります。ありがとうございます。

狂った人にしか見えない(らしい)、春泥と黒虹は、しっとりお姉さん系春泥と動きの可愛いおキャンな感じの黒虹がなぜ一緒にいるかわからないのだけれど、二人が姉妹のように仲良く寄り添っていたらいいなぁと、春泥の設定を聞いたあとですと、強く思いました。

一人屋根裏で奮闘していた小林少年はよく頑張ってた。すごい体当たりであたらしいかんじでした。

人間椅子と須永の会話シーンもコメディで好きです。仲良しこよしでちょっとほのぼの。

静子と春泥は、まさかの孤島の鬼設定でびっくりしました。よくあの話をああ変形していれられたなぁ! 海底トンネルに現れたタコも伏線だったのかと思うとドキドキします。

ダラッとかきましたが、今回も本当に素敵な眺めを見せて下さりありがとうございました。
愛に溢れた乱歩として、また原作読み返したくなりました。
あとパノラマ脳の振り付け、むっちゃ楽しかったです。
音楽もすごい良かった。流石西邑さんですね。

感想終わり。まる。