紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

小説すばる2014年5月号掲載 木原音瀬 『あのおじさんのこと』感想

木原音瀬禁断症状が出始めたころ、見計らったかのように小説すばる2014年5月号に短編が載ると聞いて読みました。「あのおじさんのこと」。 というわけで感想です。

小児愛で苦しんでる男の短編が前にあったのですが、その男(作中では紳さん)の後日談。

紆余曲折の末、ホームレスになりそのまま死んだ紳さん。 どんな人だったのかと語り手が、紳さんの足跡をたどりはじめます。

小児愛を性癖にもつ紳さん。 小学校で生徒に愛される先生だったという意見もあれば、生徒に悪戯したという話も。 趣味が旅行で海外によくいっていたという話もあれば、その先で子供を買っていたという話も。 ホームレスになった後も、子どもにお菓子をあげて好かれているようでいて、なんども子供に悪戯して警察に捕まったり。

読んでいて、だんだん暗くなる。 木原さんはBLだと、BL面で救いがまぁ、あるといえばあるのですが、この作品は紳さんを救ってくれる人がいないので、救いがないです。

揚句語り手が最後にたどり着いた紳さんを知っている人が、自分の叔父で、その叔父の過去の行動をトレースしていたら、叔父ももしかして小児愛を語り手に向けていたようで、でもそれを語り手は問い詰める勇気もなく。

読後感が暗澹たる感じでした。 いや、でもこれが木原音瀬さんの作品なんだなぁ。 BLってファンタジーだから最後はみんな大団円が多くて、悲劇的な終わり方をしても、愛は不滅的な話になったりするけれど、木原さんお話は現実に即しているから、ありえない夢は付随していないことが多いです。

一般誌になればなるほど、その傾向が強いのかなぁ。

これが一冊の本になったらどんな本になるのだろうかと、今からちょっと楽しみは楽しみ。 木原さんの次の話が読みたいです。はい。