読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

青春の一冊――炎の蜃気楼について

徒然文

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/pdmagazine

 

炎の蜃気楼(ミラージュ)(1) (コバルト文庫)

炎の蜃気楼(ミラージュ)(1) (コバルト文庫)

 

 えー、青春のというか、青春すべてをささげました。

中学2年の時本屋で偶然見かけ、手に取り、数年。最終章では、新刊が出るたびに大学の講義さぼって朝から本屋をめぐり、新刊を手に入れては即座に読んで、展開にハラハラドキドキしたものです。

 

物語は、ちょっと不良な高校生「仰木高耶」が自分の家臣「直江信綱」という男に出会うことより始まります。高耶さんは実は、上杉謙信の養子、上杉三郎景虎の魂を持ち、4百年怨霊調伏のために肉体を変え4百年生きてきたのです。

過去の記憶を思い出すと同時に、信頼していた直江との確執がうまれます。それは憎しみや愛をはらんで、どこまでも膨れ上がり、最後には透明の純化された想いになりますが、それは読んでご確認ください。

(ちなみに男同士でBLでは?という意見がちらほら聞こえますが、あくまで炎の蜃気楼少女小説のカテゴリで、二人の愛はなんだろう、BLとかいう垣根を越えて、魂レベルまで昇華されるので、まあ、肉体関係はおまけみたいなものだと私は考えます。しかしそういう描写が苦手な方はご遠慮ください)

闇戦国の最大の敵織田信長の復活に伴って、友人を奪われたり、仲間がちりじりになったり、高耶さん自身が人を害する毒を抱えた人間になり、怨霊側についたり…。

立場が変われば、考え方や求める理想も変わるのだけれど、一貫しているのは、直江と高耶さんの道のりが、どこかにあるはずの「自分たちの最上の在り方」を求めているように見えて、実は二人が歩む一歩一歩こそが二人にとっての最上の在り方だったと。

時に悩み苦しみあがき妬み嫉み、怨嗟し、救われ祈り願い、理想を描く。

彼らの心情や生き方にどれだけ思春期の頃の私が救われたか。

言葉にすることは難しいです。

 

ラストは悲しいです(受け入れるまで10年かかりました。それでもまだ桜見るとつらくてたまらなくなります)。

それでもこの作品出会え、魂の血肉になってくれたことが私の幸いです。

 

実はこのラスト付近、私の私生活もボロボロで、もう死ぬしかないな…と思い詰めていたんですが、

「生きて幸福になってください」

というメッセージをもらって、苦しいほど涙が出て、号泣して。

今、まだ頑張って生きています。

死ぬということはこの世界に対して無力の存在になることだから。何かしらの影響を世界に対して投げかけ続けるためには、生きるしかないのです。

そして、「お前たちが幸福じゃないならオレたちも幸福じゃない」と高耶さんが言ったから、高耶さんたちを悲しませないように、生きる。

人が聞いたらばからしいと思うかもしれない。小説の世界を、空想の世界を真に受けやがってと嘲笑されるかもしれない。

でも、あの時の私には高耶さんと直江の美しい生き方しかなかったから。それがすべてだったから。

語りだすと止まらないのでここらへんで。

 

まあ、40巻+アルファでている炎の蜃気楼シリーズが、私の青春の1冊です。

巻数があるので、手を出しにくいかと思いますが、読みだすと止まらないので、ぜひ。