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紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

二人の銀河鉄道 嘉内と賢治 感想

感想文

『二人の銀河鉄道 嘉内と賢治/江宮隆之/河出書房新社』の感想を。

 

【バーゲンブック】 二人の銀河鉄道
 

 

【あらすじ】
宮沢賢治のただひとりの友、保阪嘉内。嘉内もまたもうひとりの夭逝せる求道者だった。ふたつの魂の出会いを綿密な取材と想像力によって甦らせた初の嘉内の伝記小説。
河出書房新社サイトより

【評価】
★★★★☆

【感想】
宮沢賢治とその心友保阪嘉内の物語を、嘉内の視点から綴った伝記小説です。
嘉内の生い立ちから賢治との出会い、銀河の誓い、嘉内除籍、図書館幻想までに多くページをさかれており、二人の密な関係からのすれ違いがとても哀しく心を打つ作品です。
嘉内視点からの賢治がとても頼もしかったりすばらしかったり可哀想だったり苦しかったりと、ああ、二人とも理想を叶えたくて邁進するけれど、うまくいかない人生を巧みに書き記しています。
特に、図書館幻想のシーンの描写は、すごく鬼気迫るものがあり、二人のすれ違いに涙しました(ダルケの正体を初めて知りました)。

この書の何がいいかと言いますと、図書館幻想で別れが二人の永遠の別れではないことです。その後もあえないけれど、手紙のやり取りが続いていた。断絶ではなかった。二人の絆は途切れることなく最後まで続いたのだと。
それがもう、賢治嘉内尊い! ってなりました。
人間宮沢賢治、人間保阪嘉内が愛しい、作品です。
余談ですが、同じく賢治嘉内を描いた『宮沢賢治の青春―“ただ一人の友”保阪嘉内をめぐって』より、二人の関係をより高次的な関係へ昇華しているので、こっちの方が好き(個人的感想)。