紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

百貨の魔法 感想

百貨の魔法読了しました。

ざっくりいうと、
村山早紀先生おなじみ、
風早の街の、戦後から続く老舗百貨店「星野百貨店」を舞台にした、
奇跡と魔法の物語です。
奇跡や魔法? と思われるかもしれませんが、
村山先生の奇跡や魔法というのはいわゆるファンタジーで描かれる
呪文を唱えてうんぬんかんぬんと云ったものではなく、
奇跡を願う人の心に呼応して、人々がとった行動が、まるで魔法のように作用する、というのが一番しっくりくる説明かもしれません。

斜陽の百貨店で、
各フロアの店員がそれぞれの思いや人生を抱えながら、
百貨店に勤めることを、それぞれの仕事を、誇りに思いながら、
お客様にとって最上のおもてなしや商品を提供できるように務めている(努めてもいる)。

それを支えるように、言い伝えの存在「ふしぎな子猫」に出会うことによって、
行動や想いがまるで奇跡や魔法のように輝きだすんです。

繰り返し、魔法はないかもしれない。と語られます。魔法を信じていない人もいます。それでも、それらを願うのは、もはや人の祈りでしかなく、その祈りが、まるで天に届いたかのように、良い方向へ作用する。その描写がとても鮮やかで、いつも泣かされます。

一幕の段階で涙腺崩壊していたのでかなりまずかったです(電車の中で号泣していた)。
読み終えた時も電車の中だったのですが、だらだら泣いていたので不審人物だったと思います。
(余談ですが、電車の中で予期せずこんなに泣いたのは、銀河の荒鷲シーフォートシリーズぐらいです。ミラは省きます。笑)

もう、物語自体が魔法のようで、出てくる人はみんなあたたかくて、素敵で、こんな百貨店があるなら、私は胸の高鳴りを隠せないまま、ドアマンに扉を開いてもらって、中に入るでしょう。
迎えて下さるのは、コンシェルジュの結子さん。その笑顔を想像すると、胸がとても温かくなります。
エレベーターにも乗りたいし、屋上の回転木馬は言わずもがな。最近靴に困っているので、地下のシューズフロアはぜひ訪れたいです。

そうそう忘れずに、魔法の子猫のステンドグラスを見上げないといけません。
そして気が付いたら、足元にその子猫が…なんて、あったら、素敵ですね。
願いが一つだけ叶うなら、何を願おうかなぁ。

そんなことを夢想させてくれる、素敵な本でした。
お勧めです。

 

百貨の魔法

百貨の魔法