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紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

廻天百眼 屍のパレード備忘録。

徒然文

作家は深淵に出会い、深淵の願いを叶えるために本を書き続ける。人の心の闇と救いを用いて深淵の器たる屍を召喚する本を。 深淵はこの世のものになりたかった。だからなりふり構わず本を開くものを探した。 手毬は複雑な家庭環境だった。黒の書を開き、闇たる屍と救いたる眷属による疑似家族を手に入れた。そしてスタナを愛していた。友達でいたかった。 スタナは、手毬とクラスメートに苛められていた。そして成り行きで白の書を手に入れた。彼女は手毬を憎んだが、その憎しみは果たして本当に書物を手に入れる前の彼女が持っていたものかどうか不明だ。スタナの屍は進化を遂げる。姿が変わっていくさまが面白い。 闇子は、手毬とスタナが失った記憶や想いの具現だった。混ざった記憶はどちらのものか本当か嘘か判別がつかない。 白夜は、手毬の擬似的父として、手毬と同じ眷属たちを愛した。 翡翠は手毬の擬似的母として、手毬と同じ眷属たちを愛した。 彼岸は、手毬の救いの化身だった。手毬と同じ眷属たちを愛していた。 マルシュナーはスタナを利用しようとして近づいた。彼も書物が欲しかった。理由はわからない。 ヴォルテールは自分の利益のためにスタナの眷属になった。生きたいように生きている気がした。 3人の巫女は、書物をあけて、何度も何度も闇を召喚する。でも彼女たちは闇を放ちすぎて、もはや深淵に至れない。 ヘカテ―は、沢山の書物を集めた。巫女たちの闇でホムンクルスも作った。でも彼女も深淵に至れない。 ホムンクルスは不完全で、挙動が不審だ。 マルシュナーが召喚した屍はグロテスクで人の姿を辛うじて保っていた。

スタナと手毬は殺し合い、手毬は死に、マルシュナーが本を奪う。そして銀の書が生まれ、スタナの渾身の闇が人造人間(ホムンクルス)を召喚した。 完全なホムンクルス。それは人間そのものだった。 深淵はその器に入れなかった。器に宿ったのは手毬だった。 シャクナゲの花の匂い、出会った時の風の匂い。 二人は手に手を取り合って、彼女たちが敵だと思うすべてを薙ぎ払った。やり方にルールもモラルもなかった。彼女たちは生きたいように自由に生きる。 二人で。どれだけ屍を築いても。構わない。彼女たちは屍の先頭に立ち、屍のパレードを先導するのだろう。