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紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

かなりや荘浪漫廃園の鳥たち 感想

感想文

本屋で惹かれた『かなりや荘浪漫廃園の鳥たち/集英社オレンジ文庫/村山早紀』の感想を。

 

かなりや荘浪漫 廃園の鳥たち (集英社オレンジ文庫)
 

 

【あらすじ】
雪のクリスマスイブ。母親が失踪し家を追い出された茜音は、天使のような少女の導きによって
古い洋館アパート「かなりや荘」に招き入れられる。そこには心の片隅にさびしい廃園を抱えた人々と、
道半ばにして亡くなった天才漫画家の幽霊・玲司がひっそりと暮らしていて…。
古アパートを舞台に、歌を忘れたかなりや達が繰り広げる、優しく力強い回復と救済の物語。
集英社サイトより

【評価】
★★★★☆


【感想】
安定の村山先生の作品。
先生にしては珍しく天才少女が主人公ということですが、まだ本人に天才の自覚なく、それどころかバイト先は閉店、母親は失踪、すんでるアパートから追い出されと、不幸続きの主人公です。
でも彼女が天使のような迷子少女に出会い、少女を家に送り届けるところから、彼女の――主人公茜音の――運命は大きく変わり始めます。


とてもあたたかく、愛おしい方へ。


個性的なキャラクターはもちろんのこと、登場人物たちのほんわかあたたかさ、かかえる切ない哀しさは愛しとしか言いようがありません。
茜音を置いて失踪した母親はなんて悪いんだろうと思っていたけれど、2巻を読んだら母親のましろさんをがぜん応援したくなりました(2巻の感想はまた)。

村山先生の作品は、例えるなら水中から天を仰ぐような透き通ったキラキラした美しさがあります。それは心に響いて、涙腺を熱くする。

小さなころ、クレヨン王国を読んで喜怒哀楽すべての感情を震わせていた頃を思い出させてくれます。
出会えてよかったなぁ。