紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

飴屋法水『彼の娘』 感想

飴屋法水『彼の娘』を読んだ。
飴屋さんは知る人ぞ知る東京グランギニョルの主宰で、
超絶美青年で(コシノミハルの野バラの動画を見てくれ)
変わった経歴の持ち主で(知りたいなら調べるといいです)
娘さんの存在もなんだか不思議な感じだ。

飴屋さんであろう「彼」とその娘「くるみ」の
何気ない日常を切り取った物語であると思う。
思う、というのは、彼がときどき飴屋さんでなくなって、
娘も「くるみ」かどうか判然としない書き方をしているからだ。

時間軸もぶれている。違う時間軸の「彼」が
いっぺんに出てくるくだりもある。

それでも、ふんわり優しく、命や死や哲学めいたことについての
エッセイを
彼と彼の娘が紡いでいく。

最後の話では、彼が死んだことになっている。
「彼」はいったい誰だろうか。
疑問を提示ながら、同時に誰でもいいではないかと思った。


飴屋さんの文章は、読みやすくて、親しみやすくて、
そしてなんだか深い。
なぜだかとても愛おしいと思った。