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紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

宮沢賢治の真実―修羅を生きた詩人―  感想

感想文

宮沢賢治の真実―修羅を生きた詩人―/今野勉/新潮社』の感想を。

 

宮沢賢治の真実―修羅を生きた詩人―

宮沢賢治の真実―修羅を生きた詩人―

 

 


【あらすじ】
死の床にある最愛の妹。その胸中を知った時、詩人は修羅と化した。妹の人生を大きく狂わせた恋愛事件と、それに気を留めず同性に恋焦がれていた自分。己を「けだもの」と称した詩人の叫びが「永訣の朝」となり、遺作「銀河鉄道の夜」に絶望と希望の全てが注ぎ込まれた。比類なき調査と謎解きの連続で、従来の賢治像を一変させる圧巻の書。
新潮社サイトより

【評価】
★★★☆☆

【感想】
宮沢賢治の妹が、まさか、生徒時代に恋愛スキャンダルをおこし、逃げるように東京の大学に行っていて、そのスキャンダルを死ぬまで引きずっていたという新しい話に、びっくり。

でもその話を聞くと、永訣の朝で、トシが「今度は自分のことで苦しまないように生まれてくる」という言葉がしっくりきました。
新聞にも取り上げられたスキャンダルて、つらかっただろうなぁ。
でも、死後にこういう話が暴かれるってなんだか切ないですね。研究的にはいいのでしょうけれど。
あとは宮沢賢治が保阪嘉内が好きだったという話と、堀籠文之進もまた好きだったとの話。

嘉内についてはおおむね知っている通りですが(蒼怜と純黒の補足が結構楽しかった)、嘉内が中学の時に見たハレー彗星の話やダルゲとは何ぞとかの説明があるという意味では、『二人の銀河鉄道 嘉内と賢治/江宮隆之/河出書房新社』の方が好みです(あくまで個人的見解)。
あと、嘉内が賢治の熱烈アタックにひいていたみたいな記述がみられましたが(解釈違いだったらすいません)、当時のアザリア面々が結構嘉内に変通送っているので、言うほど嫌がってはいなかったのではないかなー。そうだといいなーと勝手に思っています。はい。

堀籠文之進の件は、知らなかったのですが、(というか藤原さんと一瞬勘違いしてた)そういえば彼方ヨウホさん(https://twitter.com/youho0309)とよよてばさん(https://twitter.com/44tevanni)の合同誌『アザリア奇譚』で、賢治の好きな顔のタイプにちゃっかり並んでおりました。
しかし賢治、好きな人にはとことん迫るタイプだなァと。

あと、ちょっと惜しかったのは、銀河鉄道の夜の解釈。私は第3原稿の、ブルカニロ博士が言った「そしてみんながカムパネルラだ。」という言葉から、カムパネルラのモデルが複数人いる説が好きなので、嘉内だけにとらわれず、緑石や津田や賢治が関わったいろんな人たちにももうちょっと着目してほしかったです。

あと水晶宮の考察はなるほどと思いましたが、チュンセ童子とポウセ童子が賢治と嘉内なら、石炭袋で見えた「向うの河岸に二本の電信ばしらが丁度両方から腕を組んだように赤い腕木をつらねて立っていました。」というのにも着目してほしかったです。はい。

トシさんの新たな話を知ることができたという点で、この本は興味深かったです。はい。