紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

彼の笑顔がまぶしくて

まえがき これは恋話 Advent Calendar 2014の15日目のエントリーです。

愛しのチェリーブロッサム

彼の笑顔があまりにまぶしすぎるので、お菓子をあげたり、意味なくあいさつしてしまう、今の私は恋をしてるって思うんです。 そんな私をあなたはおかしいとお笑いになるでしょうか。

実をいうと、この感情が恋かどうかも分かりません。だって人を恋いうることなど今までなかったのだもの。

ええ、ええ、私は昔あなたに恋い焦がれました。心が焼け焦げてしまうほどに。あなたを想いすぎてどうにかなってしまうほどに。 けれどあなたはこの世のものではありません。あの世のものでもありません。ある作家によって紡がれた、物語の中の人。 あなたを想うのと、生きている人間を想うのとは次元が違うのです。あなたを想うほどに、私は生きた人間を想えない。だから恋を知りませんでした。あなたがいたから知る必要もなかった。

けれどね、彼の笑顔を見ると、心のどこかがはねるのです。 心の中に大きな鯉がいたようなのです。そいつがぴちょんとはねて心の中に波紋を広げていく。

真剣な顔をした次の瞬間にかっと笑う彼の、笑顔が。 お菓子を受け取って次の瞬間、嬉しそうに笑う彼の、笑顔が。 すれ違って会釈した拍子に、少しぎこちなく笑う彼の、笑顔が。

たまらなく私を魅了して離さない。

今度すれ違ったら、私はきっと「笑顔が素敵すぎてまいりました」とぼそぼそと口にしてしまうかもしれません。 そしたらきっと彼は戸惑って、もう笑顔を見せてくれなくなると思うので、決して口にはできないけれど。 でもその言葉に彼が応えてくれたなら! 笑い返してくれたなら! そんなことを夢想してやみません。

ねえ、愛しのチェリーブロッサム。 これが私の恋話です。 うつし世は夢。 届かぬ想いこそまこと。