読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

夜叉衆ブギウギ 炎の蜃気楼昭和編  感想

発売を聞いたときから浮かれてしまって、入手後電車の中でニヤニヤしながら読みました。ニヤニヤしながら読んだ本は久しぶり。というわけで、『夜叉衆ブギウギ 炎の蜃気楼昭和編/集英社コバルト文庫/桑原水菜』の感想です。

夜叉衆ブギウギ 炎の蜃気楼昭和編 (コバルト文庫 く 5-111)
桑原 水菜 集英社 (2015-09-01) 売り上げランキング: 235

【あらすじ】 加瀬と執行の出会い、笠原の大学生活、マリーが歌い始めたきっかけ、宮路のほろ苦い思い出、医師としての佐々木──現代人として生きる夜叉衆の日常や想いを描いた短編集。雑誌掲載のショート4編も収録。 (集英社コミックス・書籍検索サイト BOOKNAVIより)

【評価】 ★★★★☆

【好きなシーン・セリフ】

ひとは本当に苦しい時ほど、笑いを求める。それは精神のバランスをとるためなのだろうが、苦難の中でいつも眉間にしわを寄せている者よりも、ささやかな軽口をたたけた者のほうが、強かった。シリアスな状況にいる時ほど小さな笑いに救われる。そういうものだ。
中略
(そうか。あなたは今日、笑ってくれたのか)
p26

(あなたの笑顔が見たい)
(それだけなのに)
p27

(……知ってるさ。そいつが、うぬぼれだってことくらい)
ふと天を仰いで、微笑んだ。摩天楼の明かりが眩しかった。
吹っ切れた気がした。
p91

「……解き放たれているように見えるからじゃないですか」 「解き放たれている? 何から」 景虎はほおづえをついて、目を伏せた。 「………。正しくあることから」 p173

景虎は背中しか見せない。背中を見ていることしかできない者の淋しさを、景虎は知らない。淋しさが、時に狂気のように人を叫ばせることも知らない。自分を振り向こうともせず、何も返そうとはしないから、あらゆる手を使ってつなぎとめようとする。
(つなぎとめる? いいや、しばりつける、だ)
p243

「ガキになったんならそれでもいい。大人の本気を教えてやるよ」
p260

煙草の先で触れ合う火と火のように、その心も分かち合うことができるのか。
苦いシガーキス。
p266


【感想】 昭和編は本当にどろどろの哀しい最後しか待っていないはずなので、夜叉衆5人がそろってワイワイ楽しげにやっているととても読んでいて楽しいのだけれど、一抹の寂しさも覚える。この時は本当に一時なのよね、と。 コメディ、シリアス、ジンワリもの、など、公式が投入してくるものが半端ない。短編1つ読み終わるごとにありがとうございますって、桑原先生に心の中で頭を下げてました。

あと水菜節がやはり生き生きしていていいですね! 萌え台詞沢山ありがとうございます。

小説はテキストなので、昭和編の最初の頃、尚紀を速水奨さんで再生していたのですが、学園サンバで「もうっ!」とかいう尚紀は完全荒牧さんでした。先生も意識して書かれたのかなと思ったり。 対して、直江の前の宿体、山口は直江史上最も格好良かったというような描写から、バリバリの速水奨さんで再生。少女の頃のマリーと会話している山口を速水ボイスで脳内再生してひとりもだえておりました。 やはり自分の中の直江は、なんだかんだで速水さんのイメージが強いです。

長秀のまさかの上海での過去話(恋含む)や、色部さんのまさかのブラックジャック展開、マリーの淡い恋(?)、尚紀の聖セバスチャン(脳内で山本タカト絵で尚紀が再生されてやばかった)、景虎さまの情熱カクテルや、尚紀と加瀬さんのシガーキスなど、読みどころ満載なので、読まれていない方、ぜひ!