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紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

紅日毬子朗読劇“再演・砂男と少女自動人形について”inパラボリカ 感想

感想文

2016年3月20日は、パラボリカビスで「紅日毬子朗読劇“再演・砂男と少女自動人形について”」を拝聴しました。
ホフマンといえば、くるみ割り人形しか知らなかったのですが、
この砂男、とても面白い作品でした。

主人公ナタナエルは、幼少期に砂男に怯えて育ちます。寝物語の怪物かと思った砂男は、父の客としてやってくる不気味な老弁護士コッペリウスその人だと、ナタナエルは思うのです。
大人になって、家を出て、恋人クララができます。
けれど下宿先が火事にあい、移り住んだ先の向かいの家の美しい娘を望遠鏡越しに覗き込んで、うっかり惚れるナタナエル(恋人クララを裏切って)。
実は彼女は実は歯車でできた少女自動人形で、またその正体が割れる時にコッペリウスが絡んでくる。
ナタナエルは狂気に落ちるも回復し、クララと暮らしているのだけれど、ある日塔の上で景色を見ていて、クララを望遠鏡越しにふと見ると、狂気がまた押し寄せてきて、またコッペリウスを見かけ、正気を失ったナタナエルは塔から落っこちて(死んで)しまう。

という話が、毬子さんの語りでよどみなくすらすらと展開されていく、その見事さと言ったら!
気が付いたら毬子さんを通して、ナタナエルのことが好きになっていました。
不幸続きのナタナエル。砂男にさえ出会わなければ。少女自動人形に恋しなければ…。いやでも、そうするからこそナタナエルなんでしょう。

朗読中は、何かが乗り移ったかのように、鬼気的パフォーマンスする毬子さんですが、ぱたんと本を閉じるといつもの通りのちょっと照れた様な少年装の素敵な方に戻っていく、その落差もたまらないですね。

いや、素敵な夜をありがとうございました。