紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

お前にのこせるもの(炎の蜃気楼二次)

お前を置いて逝かない、と。

言葉にしながら、オレは知っている。
そう遠くない先、オレはお前を置いて逝くだろう。
その時オレがお前に残せるものはなんだろうか。
共に過ごした記憶だろうか。
ぶつけ合った想いだろうか。
もつれあった感情だろうか。

きっと物質は残せない。
お前が言葉通り、永劫を生きるのだとしたら。
物はやがて朽ち果て残らない。
だからいつかお前にやるといった亡骸も
朽ち果てやがて一切を
お前に残してやれないのだろう。
そしてそれを失って
お前は絶望するのだろうか。

…こんなにもお前に何かを残して逝きたいのに。

取り留めない思考を続けながら
オレは一つの可能性にたどり着く。
いつかオレが他人の魂を体に宿したように。
お前の体の中にオレの魂が宿ったら。
肉体をいくら変えてもおまえの魂に引っ付いて、
オレの魂がお前の側に在ることができるなら。

もはや輪廻の渦に耐えきれないオレの
もはや何の思いも紡げないオレの
ちっぽけな魂を
お前のために残せるなら。
お前はそれを抱いて、永劫慈しんでくれるか。

そこまで考えてオレは微笑んだ。
叶わなくはない。
そのことに気付いて。

なあ、直江、オレが息絶えたらその時は。
オレの魂をお前に預けるから。
オレという人間のすべてともいうべき魂を
残して逝くから。
そして永劫側にいるから。

今際の時は泣かないで、どうか微笑んでほしい。

…愛している。