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紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

皆川博子 トマト・ゲーム 感想

中川多理さんの少年人形の写真を使った表紙に惹かれ『トマト・ゲーム/皆川博子/ハヤカワ文庫JA』を購入。 感想です。

【あらすじ】 壁に向かってオートバイで全力疾走する度胸試しのレース、トマト・ゲーム。22年ぶりに再会した男女は若者を唆してゲームに駆り立て、残酷な賭けを始める。背後には封印された過去の悲劇が……第70回直木賞候補作の表題作をはじめ、少年院帰りの弟の部屋を盗聴したことが姉を驚愕の犯罪に巻き込む「獣舎のスキャット」等、ヒリヒリするような青春の愛と狂気が交錯する全8篇収録。恐怖と奇想に彩られた犯罪小説短篇集。収録作:トマト・ゲーム/アルカディアの夏/獣舎のスキャット/蜜の犬/アイデースの館/遠い炎/花冠と氷の剣/漕げよマイケル/解説:日下三蔵ハヤカワオンラインより)

【評価】 ★★★☆☆

【感想】 なんだこれは? 作者の頭の中どうなっているの? の一言に尽きました。 皆川さんの作品は少年十字軍を読んでいて、そんなちょっとファンタジー路線かしらと(表紙の写真を見ながら)思っていたのですが、読後の胸を突く言い知れぬ感情は一体何なのでしょう。 よくもこんなドロドロして、狂おしくて、得体のしれない感情を抱かせる小説をお書きになるものです。 しかもこれ長編一本で泣く短編集。短編の数だけある生々しい狂気。すごい。 胸がつぶされるのではないかと思った作品でした。 皆川さんはお写真で拝見すると一見上品そうな婦人というイメージなのですが、生み出すもののエネルギーと情熱が半端ないです。 あとねっとりからみつくように目に吸い込まれていく文体もすごいと思います。

個人的に男女の恋愛ものが少し苦手なものなので、星は三つです。いや、好きな人は本当に好きな作品だと思いますよ。

中川多理さんの少年人形の写真も美しくて最高でした。