紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

月に吠えらんねえ(1)にだだはまりました。畜生。

本屋で偶然惹かれて買ったらダダはまりしました。 『月に吠えらんねえ(1)/清家雪子/アフタヌーンKC 』の感想です。

【あらすじ】 □(シカク:詩歌句)街。そこは近代日本ぽくも幻想の、詩人たちが住まう架空の街。そこには萩原朔太郎北原白秋三好達治室生犀星高村光太郎らの作品からイメージされたキャラクターたちが、創作者としての業と人間としての幸せに人生を引き裂かれながら詩作に邁進する。実在した詩人の自伝ではなく、萩原朔太郎北原白秋らの作品から受けた印象をキャラクターとして創作された、詩人たちと近代日本の業と罪と狂気の物語。(講談社サイトより

【評価】 ★★★★★

【感想】 なんだこれは!? というのが最初の感想。 近代文学者たちの作品からインスピレーションを受けて生まれたキャラクターたちが繰り広げる詩作の日常。 教科書でさらっと習ったぐらいの近代文学者たちの名前がポンポン出てくる上に、その彼らが幾分エキセントリックなキャラクターと解釈され登場する。

常識人を思わせる白さんすら読者の観点からすれば、狂っていると思う。狂った人たちが狂おしい想いで、詩や歌を生み出す。会話の中で、酒に酔いながら、死体を目の前にしながら。

一度読んだだけでは、腑に落ちないので、二度読む。すると新たな発見があって、もう一度読む。気が付くと中毒になっている。 続き読みたさに雑誌が欲しくなる。巻末の参考文献読みたさに図書館に行きたくなる。wikiで登場人物たちのオリジナルを調べてしまう。 そのうち近代文学が恋しくなって、ああ、どうしてこの作品は私が学生時代の頃になかったんだろうと思う。この作品に出会えていたなら、もっと近代の文学史を面白おかしく学べていたのに。

なんだこれはと思いながら、キャラクターに萌え、詩や歌に酔い、物語に宿る一抹の寂しさに心を痛め、ずぶずぶとはまることをおすすめします。

文句なしで、朔さんが好きだけれど、車掌さん(宮沢賢治をオマージュ)も好き。いつか、タルホ(稲垣足穂?)や釈さん(折口信夫?)とかもキャラクターで出てほしい。タルホはもちろん美少年がいいなぁ。

久しぶりに心動かされたので、星は5つです。