紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

夢幻燈ブルース 炎の蜃気楼昭和編5 感想

5月1日の朝は、炎の蜃気楼昭和編舞台化第2弾決定ということで、朝から血がたぎり、そのなかでの『夢幻燈ブルース 炎の蜃気楼昭和編5』の発売! ミラジェンヌやっててよかったと思う今日この頃です。 というわけで本日は、『夢幻燈ブルース 炎の蜃気楼昭和編5/集英社コバルト文庫/桑原水菜』の感想を。

夢幻燈ブルース 炎の蜃気楼昭和編 (コバルト文庫 く 5-110)
桑原 水菜 集英社 (2015-05-01) 売り上げランキング: 107

【あらすじ】 直江(笠原)が通う東都大の学生たちの間に広がる「異床同夢」の現象と、霊を呼び寄せるバイオリン弾き。すべては朽木──信長へと繋がっていた。織田側の企みを知るため、景虎は夢の中へ入り込み…? (集英社BOOKNAVIサイトより)

【評価】 ★★★★☆

【好きなセリフ・シーン】
「……我が妻にしてやろうか」
「え?」
「そなたがその気ならば、第六天魔王の妻として迎えてやろう。マリー」
p.140

(私はここです。景虎様)
(私はここにいます。なぜ気づかないのですか。なぜ私を見ないのですか)
(あなたが見るべきなのは、その女じゃない。あなたのそばにずっといた、この私です)
(私を見てください。見てください。景虎様!)
p.111

俺以外の人間を呼ばないでくれ。俺だけを見てくれ。ずっと。
あなたをずっと守ってきたのは、この俺だ。忠誠を尽くしてきたのも、誓ったのも。
俺が愛してきた人間は、ずっと、あなただけだった。
あなたを誰にも渡したくない。誰のものにもならないでくれ。
誰にも奪われたくない。誰にも心を与えないでくれ。
背を向けないで。どうか……!
p.198

直江は問いかけた。
「誰かに奪われるくらいなら、この手で殺めたい、と願うような人間は、いますか」
p.244

「殺せるものなら殺してみろ。それができるぐらいなら、勝ちだと認めてやってもいい」
p.244

(あなたが憎い)
自分でも驚くほど鮮烈に、明晰に、自覚した。景虎への憎悪を。
そうやって、いつもいつも、何も返さず去っていく。心だけは引き留めることのできない身の、惨めさを。
(あなたも、知ればいいのに)
p.245

(俺は、ユダなのか……)
(そうなる運命なのか)
p.245

【感想】 付喪神化したバイオリンとか、船の謎の解明とか、戦中の怪しげな研究とか読みどころはたくさんあるというのに、尚紀の闇落ちにしか目が行かないという異常事態に。

異常というか、久しぶりの直江節に忘れていた暗い情動がよみがえるというか。好きなセリフに多数引用していますが、直江の心情文が楽しくて仕方なかったです。

見どころとしましては、なんでそこまで直江の世話を焼きたがるのだろう高坂とか、加瀬VS長秀のサイキックアクション挿絵とか、近づく加瀬と美奈子とか、信長がマリーに執心するのは朽木の心が残っているのかしら、だから本編でも晴家の扱いが(信長の中で)良かったのかしらとか、たくさんあります!

朽木信長は、舞台の朽木の印象が強すぎて、偉ぶってる信長みてもなぜだか笑えてしまう。なので、美獣フレーズが出ても、なんとなく笑ってしまった。なんだか昭和編ラストまで私は朽木信長をお笑い要員にしてしまいそうです。はい。

肝心の尚紀ですが、完全に1部の直江に近くなってきましたね。嫉妬の矛先が美奈子に向いていることを理解し、なんで景虎が自分を見ないんだと懊悩し、仲の良い加瀬&美奈子を見るくらいなら、自己保身のために景虎とのつながりを断ち切りそうになる心の弱さを見せるなど、これぞ直江! となってきました。今後が楽しみです。

しかし景虎さま、直江に「誰かに奪われるくらいなら、この手で殺めたい、と願うような人間は、いますか」と問われて、「殺せるものなら殺してみろ。それができるぐらいなら、勝ちだと認めてやってもいい」とこたえるあたり、直江の思いを知っているということなんでしょうね。

知っていて、直江の想いの自己愛的な部分をつついて、信じない許さない言ってる。

じゃあ、直江のどんな想いなら景虎は受け取ってくれるというのだろうか。

無償の愛だろうか。無償だとしても、自分自身の後ろ暗さから景虎さまは直江の愛を受け入れることができないんだろうな。その愛が欲しいけれど、その愛のせいで、直江が苦しむなら。そんなものは欲しくないのかもしれない。 いや、複雑です。

昭和編も5巻まで来たので、コバルト雑誌に載った短編を集めて、5.5巻が出るといいなぁと思います。

ラブミーテンダーが収録されれば、本編5.5巻の最愛のあなたへの狂犬事件に匹敵するのでは。

とうとう直江のユダ発言も出て、いよいよ昭和編っぽくなってきました、炎の蜃気楼昭和編(日本語おかしい)。続きと舞台楽しみです。チケットとれるかなぁ。