紅宝石少年

ゆきやの読んだ本や行った場所を紹介する気ままブログ。ブログタイトル「紅宝石少年」は、大すきな漫画カストラチュラから。

木原音瀬 罪の名前 感想

木原音瀬さんの一般文芸『罪の名前』読みました。
感想など。

【あらすじ】
「あれの味は知っている。羽をむしると、どんな音がするのかも。」
――「衝撃」という言葉以外この作品を表現できない、怪作「虫食い」。
ほか、人間の弱さ、不思議さ、愛おしさを描き出す、4つの鳥肌短篇集。

罪と罰
整形外科医の棚田のもとに、深夜、階段から突き落とされた若い男が運び込まれた。爽やかな好青年であるこの患者のために棚田は懸命に治療をするが……。

「消える」
弟を愛してしまった僕。その切なさに距離を置いていたが、弟の運転する車で事故に遭ってしまい、僕の身の回りの世話をする毎日。未来永劫、僕から離れられない。

「虫食い」
幼なじみの隼人だけは、日向が虫を食べることを知っている。そしてそのことに欲情することも。

「ミーナ」
しわしわネームの亀井道代は自分のことを「ミーナ」と呼ばせている。親友の若菜はミーナの華やかさに惹かれているが、なぜかクラスメート達は遠巻きにしている。

講談社BOOK倶楽部サイトより

【感想とか】
痛い話には定評がある木原さんですが、BLというヴェールを脱ぐと(脱がなくてもひどいやつはひどいですが)、とたんに読中、薄気味悪いというか、胸糞が悪くなるような、気分に襲われるんですね(すっごいほめてる)。
昔の耽美JUNEを読んでいるときに感じたほの暗さなんですよ。抑圧された中で感じる現実のどうしようもなさというか。
まあ、読者に救いがないっていう話なんですけれど(意外と登場人物はある程度の幸せを感じているので、あくまで読者が救われないんだと思うの。愛という名のカタルシスがない)。
罪と罰」は人間の持つジキルハイドみたいな。意識的にそうしているのでこういう人がそばにいるとむっちゃたち悪いですよね。というか怖い。
「消える」という話なんて、BLにしたらありふれた兄弟愛の美しい物語になりそうなのに、それを一切しない。
「虫食い」はラストはBLに近かったのかなと。でもこの主人公も行き過ぎるとカニバリズムとかに行きそうで不安感はあります。
「ミーナ」は、嘘で塗り固めた世界に生きるのがアイデンティティの女の子に絡まれる話ですが、こういう子もお近づきになりたくないですね。怖い。
人間という生き物が持つ、ダークサイドがよく描かれている物語でした。やはり木原さんの作品は大好きです。もっとよみたい。

 

罪の名前

罪の名前